米中貿易協議の構図
 米中貿易協議の構図

 米国と中国が閣僚級協議で関税の停止期限を延長する方向で一致した。互いに100%超をかけ合った貿易戦争の「休戦」継続を優先し、首脳同士の直接対話で打開を目指す思惑が透ける。ロシア産原油を巡る新たな関税やレアアース(希土類)の輸出規制といった懸案は山積し、対立激化の火種はくすぶる。

 ▽姿勢軟化

 「(中国との)分断を望んでいるわけではない」。ベセント米財務長官は29日、貿易協議後の記者会見でこう述べた。関税発動を3カ月延期することで議論を着地させる試みは、軟化する対中姿勢の一端を表した。

 変化は他にもあった。欧米メディアによると、トランプ政権は8月に中南米訪問を予定していた台湾の頼清徳総統に対し、...

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