関西大教授の佐藤方宣さん
 関西大教授の佐藤方宣さん
 外国人規制を巡る議論の留意点

 7月の参院選では、外国人規制が大きな論点となった。交流サイト(SNS)でも、外国人優遇や治安の悪化を主張して強い規制を求める声と、それが排外主義につながることを懸念し批判する声が交差した。

 法治国家で違法行為があれば処罰されるべきなのは当然のことだが、それを人種や国籍など特定の属性と安直に結びつけるのは差別の温床となる。また外国人の増加で治安が悪化したとか不法滞在者が増加しているといった主張は、官公庁の発表した客観的な統計データで否定されている。重要な社会的問題について、デマやフェイクニュースを排して客観的な情報に基づいて議論すべきなのは言うまでもない。

 だが、外国人規制を巡る問題がやっかい...

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