鹿児島県南九州市に広がる茶畑=2024年3月
 鹿児島県南九州市に広がる茶畑=2024年3月

 茶葉を製品に仕上げる前の「荒茶」生産量で初の日本一となった鹿児島県を擁する九州で、販路拡大の動きが活発化している。宮崎県や福岡県も上位に入ったのを好機に、日本食ブームなどで伸びしろが大きい欧米やアジア市場を狙う。米国の関税引き上げが影を落とすが、逆境に負けず、味の良さをはじめとした付加価値の高さを生かして売り込む戦略だ。

 「鹿児島の茶は品質が良く、量もとれる。原料に使えるのは光栄だ」。緑茶「お~いお茶」を手がける伊藤園の品川長久中四国・九州地域営業本部長は笑顔で評した。

 「お~いお茶」は九州各県や静岡県、三重県などで栽培された茶葉をブレンドしてつくられる。鹿児島県の産地別シェアは4割ほど。平...

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