1962年発売の疲労回復ドリンク「グロンサンバーモント」
 1962年発売の疲労回復ドリンク「グロンサンバーモント」
 1952年発売の殺虫剤「バルサン錠」
 創業者の上野十蔵
 鎮痛・消炎・解熱剤のザルソブロカノン
 関節リウマチ治療薬のアクテムラ
 握手する中外製薬の永山治社長(左)とロシュのフランツ・フーマー会長(いずれも肩書は当時)=2002年

 「中外製薬」は貿易会社勤務で米国駐在の経験もあった上野十蔵が1925年、東京で中外新薬商会を創業したのが始まりだ。23年の関東大震災で自らが被災し、悲惨な負傷者の姿を目にして生命と健康に関わりたいと考えた。社名には「いずれは日本の医薬品も海外に出したい」との思いを込めた。(共同通信=出井隆裕記者)

 ドイツの製薬会社の輸入代理店として船出したが、すぐに医薬品の自社製造を開始。1930年には鎮痛・消炎・解熱剤のザルソブロカノンの開発に成功し、国民病だった結核の治療に貢献した。

 太平洋戦争後、1951年に肝機能改善剤のグロンサン、翌年に殺虫剤のバルサンを発売。復興期に合わせて大衆薬の販売を大幅に伸...

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