
卵子凍結の経験を語る杉江美穂医師=東京都港区
加齢による妊娠率低下を懸念し健康な女性が卵子を凍結、将来の妊娠に備える動きが広がる。東京都や山梨県が費用を助成。国も来年度、モデル事業に乗りだす方針だ。ただ妊娠を保証するものではなく、時期の先送りには高齢出産のリスクも伴い、熟慮が求められる。
▽価値観次第
都によると2023年度以降、4千人超の女性が費用助成を申請。アンケートでは凍結の理由として「子どもを欲しいと思えるパートナーがいない」「将来への不安」「仕事で今は妊活できない」などが挙げられた。
年間300人以上の卵子凍結を手がける東京都渋谷区の「はらメディカルクリニック」は説明会を定期的に開催。加齢による妊娠率低下や排卵誘発剤の副作用、...
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