サッカー・ワールドカップカタール大会の観客席に掲げられたパレスチナの旗=2022年11月26日、アルジャヌーブ競技場(ゲッティ=共同)
 サッカー・ワールドカップカタール大会の観客席に掲げられたパレスチナの旗=2022年11月26日、アルジャヌーブ競技場(ゲッティ=共同)
 パリ政治学院名誉教授ベルトラン・バディ氏(沢田博之氏撮影・共同)
 会談のため米アラスカ州アンカレジのエルメンドルフ・リチャードソン米軍基地に到着し、言葉を交わすロシアのプーチン大統領(左)とトランプ大統領=8月15日(ロイター=共同)
 米国際開発局(USAID)を離れる解雇された職員=2月21日、ワシントン(ロイター=共同)
 コンゴ(旧ザイール)の首都キンシャサ郊外の倉庫から運び出されるUSAIDの支援物資=4月(共同)
 上海協力機構首脳会議の会場で言葉を交わす(左から)ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、中国の習近平国家主席=9月1日、中国天津市(共同)
 パリ政治学院名誉教授ベルトラン・バディ氏

 トランプ米大統領の再登板に伴う世界の変調を、新興・途上国「グローバルサウス」はどう見ているのか。「南の国々」の視点や国際関係に詳しいフランスのパリ政治学院名誉教授ベルトラン・バディさんが語った。(聞き手、構成は共同通信編集委員 軍司泰史)

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 パレスチナ自治区ガザの紛争において、南の国々はパレスチナ側および(パレスチナ国家樹立という)大義を強く支持している。これを私は、自他の「一体化」という国際関係の新たな潮流として理解している。

 距離は離れていても、他国の大義をわがこととして考える国々があるということだ。欧米諸国のパレスチナ軽視が新興・途上国にこうした動きを促し、従来なかった決...

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