高架化工事が進む新潟市中央区の「栗ノ木バイパス」について、新潟日報の「もっとあなたに特別報道班」(もあ特)会員の東区の40代男性から「『栗の木バイパス』ではないでしょうか」という疑問が寄せられた。調べてみると「栗ノ木」が正しいのだが、表記が紛らわしいケースは他にもあるようだ。(報道部・黒島亮)
栗ノ木バイパスは新潟市中央区の紫竹山インターチェンジ(IC)と国道113号に接続する万国橋交差点とを結ぶ約3キロの道路で、国道と県道からなる。現在は立体化の工事が進んでいる。
疑問を寄せた40代男性に聞くと「昔、新潟地震に関する資料で『栗の木』の表記を見た覚えがある」という。「最近、工事現場などで『栗ノ木』書かれた看板を見かけ、気になっていた」という。
新潟県や国土交通省の北陸地方整備局新潟国道事務所に取材すると「栗ノ木バイパス」が正しいという。バイパス名の由来になった川の名前も「栗ノ木川」。官公庁では「ノ」で統一されている。
一方で、新潟市中央区の複数の高齢者施設などでは「栗の木」と表記しているケースもあった。ある施設のスタッフは「『の』を使った理由は分かりませんが、特にこだわりはなかったのでは」と推測する。
表記が紛らわしいのは、新潟市の「なかのくち」や佐渡市の「はじきざき」も知られている。新潟市への合併前の村名は「中『之』口村」。地名や施設名には「之」が使われている。一方で「中『ノ』口川」もある。佐渡市の岬の名前は「弾『崎』」、そこにある灯台は「弾『埼』灯台」だ。
新潟県内では、ほかにも書き分けが紛らわしい地名などがある。それぞれに歴史や由来があるようだ。会員から寄せられた疑問をきっかけに興味が湧いてきた。