
済生会新潟県央基幹病院(左)に隣接する北陸自動車道で建設されているスロープ(右)。救急搬送時間の短縮に向け、ハード面の整備も進んでいる=三条市上須頃
済生会新潟県央基幹病院新潟県立燕労災病院(燕市佐渡)と厚生連三条総合病院(三条市塚野目5)を統合・移行する。建物は9階建ての免震構造。循環器内科、外科、救急科など31診療科(小児科や産婦人科など4月以降に開設する科を含む)を設ける。開院に伴い両病院の入院患者を移送し、350床でスタート。4月には400床体制になる。医師は70人以上、看護師は約430人を確保できる見通しで、毎日24時間、手術などに対応できる体制になった。(三条市上須頃)が3月1日に開院する。県央地域の高度専門医療を集約し、圏域の病院と連携して、地域が一つの病院のように機能する医療再編の中核を担う。変わる地域医療をどう活用するか、さまざまな角度から解説する。
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新潟県央医療圏の5市町村三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村。では、年間約8000件の救急搬送の4分の1が、新潟市や長岡市などへ搬送されていた。「断らない救急」(ER救急)を掲げる済生会新潟県央基幹病院(三条市上須頃)は、他病院と連携し、95%の搬送患者を圏域内で診ることを目指す。
県央医療圏は中小規模の病院が多く、常勤医の減少、高齢化などから搬送先探しが困難で、時間がかかっていた。ER救急体制の整備は地域の悲願...
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