
跡見学園女子大観光コミュニティ学部・篠原靖准教授(本人提供)
新潟県佐渡市の「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」の世界文化遺産登録が決まってから10月27日で3カ月を迎えたのに合わせ、新潟日報社は佐渡観光の満足度調査を行った。調査では、「総合」の評価が5点満点で4・5点と高得点となった。また、回答者50人中10人が日帰りだった。佐渡市は観光客の長期滞在や島内消費額アップを目指すが、どのような戦略が必要なのか。内閣府「地域活性化伝道師」を務める、跡見学園女子大観光コミュニティ学部の篠原靖・准教授(65)に、オンライン取材で聞いた。
-満足度調査の結果をどのように見ますか。
「非常に高得点だが、回答者の皆さんが多少気を遣ったのかなとも思う。結果を誇りに思いつつも数字に甘んじることなく基礎固めをすることが必要だ」
-日帰り客の割合が高い印象です。
「観光の消費時間が短いのだろう。ただ施設を巡るのではなく、新たな体験や、地元の人との交流を切り口に、宿泊なしでは楽しめないメニューづくりを進めてほしい」
-島内の宿泊施設が限られる中、新潟市内で泊まり、佐渡に日帰りするケースも見られます。
「新潟駅周辺は全国的に見てもホテルの単価がそれほど上がっていない。佐渡を訪れる前後に新潟市内で宿泊すること自体は、県全体での消費拡大という点では悪くはない。佐渡を軸にした周遊の考え方を県や市で整理していく必要がある」
-行政の役割は。
「大きな...
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