客車末端から勢いよく蒸気が上がる=高崎駅構内
 客車末端から勢いよく蒸気が上がる=高崎駅構内
 加減弁は「暖房加減弁」表示のふたの下。写真右側のステンレスカバーの中を暖房配管が通る=真岡鉄道の50系客車
 こちらは「蒸気止弁」の表示。座面裏側、両脚の間に全開・半開を切り替えるコックが少し見える=大井川鉄道の旧型客車
 客車中央から蒸気。窓の外側が曇っているのが分かる=大井川鉄道の旧型客車
 編成末端の蒸気は、時に勢いよく吹き上がる=12月8日、夜明け前の家山駅(静岡県島田市)

 1枚目の写真をご覧いただきたい。青い電気機関車と茶色い客車の間から白い煙が上がり、係員が現状を確認しているような、見守っているような…。もちろん火事ではない。何となく緊迫感も感じられないと思う。種明かしをすると、写真に写っていない編成の反対側に蒸気機関車(SL)が連結されており、SLの蒸気の一部が暖房用として客車内の配管を通り、編成の最後部(電気機関車側)から排出されている場面。蒸気を使用した暖房設備の始業前点検をしているところだ。

 SL時代の暖房は当初、青森・津軽鉄道の「ストーブ列車」のように車内にストーブを設置したりしていたというが、後に機関車の蒸気の一部を利用する蒸気暖房が普及した。S...

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