
香山リカ
自民党総裁がそのまま総理になるという構図が崩れつつある。高市早苗新総裁は、連立継続を巡って公明党の斉藤鉄夫代表と協議したが、政治とカネの問題での相違などから合意に至っていない。もし公明党が連立を離脱すれば、首相指名で高市総裁が過半数を得られない可能性が出てくる。野党側の動向によっては政権交代もあり得るという。
自公、野党では連日、話し合いと攻防が続く。「この党があの党首に入れれば何票になる」といった票読みは刺激的で、かたずをのんで見守っている人もいる。
ただ、そこでほとんどの国民は“蚊帳の外”だ。物価高、気候変動による農業や漁業への影響、介護や医療の人材不足などで追い詰められ、疲弊している国...
残り575文字(全文:875文字)