9月12日、講演で訪れた福島県立郡山高校構内でポーズをとる筆者=臨床教育研究所「虹」提供
 9月12日、講演で訪れた福島県立郡山高校構内でポーズをとる筆者=臨床教育研究所「虹」提供
 郡山高校「教育コース」生徒の前で講演する筆者=臨床教育研究所「虹」提供
 生徒の質問に答える筆者=臨床教育研究所「虹」提供
 2023年5月、文部科学省で開かれた公立小中高校の教員採用試験前倒しを検討する協議会。24年度1次試験は6月16日を標準にする方針が示された
 24年4月、文科省は25年度1次試験をさらに5月11日へ前倒しするよう通知
 尾木直樹

 この9月、福島県立郡山高校を訪問し、「教育コース」を選択している生徒約80人に「教育の厳しさと優しさとは何か」と題して講演をし、教師の仕事の魅力やこんにちの日本の教育を巡る問題・課題などについて、一緒に考える機会がありました。

 ▽教育を学ぶ自主的集団

 近年、教員のなり手不足が全国的に深刻さを増しています。全日本教職員組合(全教)の調査によると、病気休職や産休・育休で生じた欠員を埋められないなど、昨年10月時点で少なくとも34都道府県・11政令市の公立学校で4700人超が足りていません。

 地元の報道などによると、福島県では教員採用試験の2025年度実施(26年度採用)の志願倍率が2・3倍と、1...

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