
香港の街中に設置された宅配便の引き取り拠点の前で、山積みの荷物を運ぶ作業員=10月2日
香港では近年、中国本土に出かけて買い物や食事を楽しむ「北上消費」が盛んになり、繁華街の人出が減少して飲食店や小売店の廃業が相次いでいる。跡地には宅配便の引き取り拠点が相次いで進出、街中には香港経済の今を象徴する新しい風景が広がりつつある。
香港の貨物取扱量は、中国本土のインターネット通販「タオバオ」や「ピンドゥオドゥオ」が、宅配の送料無料キャンペーンを展開したことで急増したとみられる。消費者が「受け取りに便利」と拠点設置を歓迎する一方で、小売業者からは「街中の人出が減ってしまう」と不安の声が上がった。棚だけが置かれた狭い空間に、荷物が山積みされる無人運営の拠点も多いからだ。
飲食関連では今年...
残り786文字(全文:1086文字)