茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
 茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
 タブレット端末などに表示された、中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」開発のAI新モデル
 ディープシークのAIモデル「R1」を巡るポイント
 エヌビディアのロゴ(ロイター=共同)
 台湾でのイベントで記者の質問に答えるエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)=2025年1月16日(ロイター=共同)

 中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」が公開した生成人工知能(AI)が、世界に衝撃を与えている。米国の従来モデルを一部上回る性能を、低コストで実現した。1957年に人類初の人工衛星打ち上げに成功した旧ソ連が、科学技術力を西側諸国に示した「スプートニク・ショック」に例える議論もある。

 これまでAIの開発に不可欠と考えられてきた米半導体大手、エヌビディアの株価が下落するなど、多方面に影響が及んでいる。第2次トランプ政権の誕生直後にソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長の孫正義さんが、米IT企業の経営者らとホワイトハウスで並んで発表した新会社「スターゲート・プロジェクト」の行く末と...

残り1806文字(全文:2106文字)