現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん
 現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 秋篠宮家の長男悠仁親王の成年式が9月6日に行われました。皇室で成年式が行われるのは、父親である秋篠宮以来40年ぶりということで話題になりました。当日、たくさんの報道がなされ、私も見ていましたが、その内容にやや違和感を持ちました。今回はその話をしてみたいと思います。

 ▽法令で定められていた「成年式」

 「皇室事典」(角川学芸出版)によると、成人に達したことを披露する儀式は、かつて男子の場合は「元服」や「加冠」と呼ばれていました。元服は初めて成人用の衣装を服すること、加冠は成人用の冠を着けることからその名前で呼ばれていたようです。

 平安時代以降の天皇はほとんど幼少で即位し、後に元服式をあげました。...

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