青空に映える妙高山をバックに、スノーモービルにけん引されて、スピードに乗ったゴムボートが雪原を駆け抜ける。「スノーラフティング」だ。林の間を縫って斜面を下り、波を打つようにこぶを越えていく。ジェットコースターさながらのスリルを味わえ、乗客から歓声が上がる。

この冬、新潟県の山沿いは数年ぶりの大雪となった。国内有数の積雪量を誇る妙高市のロッテアライリゾートのゲレンデは、3月中旬でも6メートルに迫る積雪があった。ラフティング用の4人乗りのゴムボートは約2キロのコースを回る。乗り込むと目線が雪面に近くなり、疾走感が高まる。手軽に楽しめ、外国人にも人気がある。
新潟県内のスキー場は、新型コロナウイルス禍を経て外国人客が増加傾向にあり、利用客全体に占める割合も高くなっている。特に上越・妙高地域のスキー場は豪州などからの人気が高い。日本の良質なパウダースノーは「JAPOW(ジャパウ)」と呼ばれ、近年はウインタースポーツの愛好家から注目を集める。
アライリゾートでも訪日客は豪州や欧米からが中心だ。スキー、スノーボード以外も楽しんでもらおうと、ワイヤロープで滑降する「ジップライン」をはじめ、雪上でのさまざまなアクティビティを用意する。

3月上旬、豪クイーンズランド州のデイン・ロジャースさん(35)は4泊し、妻、娘とスキーを楽しんだ。妙高を訪れたのは3度目といい、「景色が美しい。雪はたくさんあるし、温泉も気に入っているよ」と満足そうに語った。
世界の中でもまれな豪雪地帯にもたらされる恵み-。シーズン終盤に向けてゲレンデのにぎわいは続く。
(写真映像部・富山翼)...
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