2025年4月7日、カナダ・バンクーバーでのTED会議に参加した茂木健一郎さん=筆者提供
 2025年4月7日、カナダ・バンクーバーでのTED会議に参加した茂木健一郎さん=筆者提供
 4月2日、「相互関税」の導入をホワイトハウスで発表するトランプ米大統領(ロイター=共同)
 トランプ関税を巡る主な動き
 4月7日、トランプ米大統領との電話会談を終え首相公邸で取材に応じる石破茂首相。最側近の赤沢亮正経済再生担当相を対米交渉担当に起用した
 対日相互関税のイメージ
 東京株式市場の株価乱高下を示す銘柄モニター。4月4日の急落(上)から、10日は一転して全面高に=東京都中央区
 NYダウ平均株価の推移
 記者会見する中国商務省の何詠前報道官=4月10日、北京(共同)
 米中の関税合戦
 茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)

 アメリカのトランプ大統領が仕掛けた相互関税措置が、世界を揺るがしている。日本を含めた各国が対応に追われ、税率の根拠やその目的を巡ってさまざまな議論が巻き起こった。

 その後、この措置への報復関税を実施しなかった国などに対し、第2弾として発動した上乗せ分を90日間停止すると発表。一方、中国との間では、お互いに高率の「報復関税」をかけ合う事態となった。

 このようなニュースが飛び交っていた4月上旬、私はTED会議(※編注)に参加するためカナダのバンクーバーにいた。※編注=アメリカに本部を置く非営利団体主催の世界的な講演会。TEDはテクノロジー・エンターテインメント・デザインの略で、各分野の専門家や著...

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