池袋の暴走事故現場近くの慰霊碑。75歳以上の運転免許自主返納は事故が起きた19年をピークに減少傾向だ=21年9月
 池袋の暴走事故現場近くの慰霊碑。75歳以上の運転免許自主返納は事故が起きた19年をピークに減少傾向だ=21年9月
 2019年4月、東京・池袋の暴走事故で乗用車(奥)を調べる警察官。加速しながら自転車や通行人を次々はねるなどし、時速約96キロに達した
 19年6月、72歳で運転免許を自主返納し運転経歴証明書を手にした筆者=臨床教育研究所「虹」提供
 25年4月、千葉県船橋市の病院正面玄関に突っ込んだ乗用車。80代ぐらいの男性が運転していたという
 24年8月、栃木県那須塩原市の東北自動車道を逆走した69歳男性の軽ワゴン車(手前)と正面衝突した乗用車=県警提供
 22年5月に導入された安全運転サポート車(サポカー)限定免許制度で運転できる車
 尾木直樹

 最近、高齢ドライバーの事故が後を絶ちません。

 警察庁によると、2024年の交通事故による死者2663人のうち、半数以上(56・8%)に当たる1513人が65歳以上の高齢者です。

 また、75歳以上の運転者による死亡事故は410件と4年連続で増加。運転免許保有者の人数当たりで比較すると、75歳未満より2倍も多くなっています。

 一方、23年の運転免許保有者約8200万人のうち1360万人、6人に1人が70歳以上です(2024年版内閣府『交通安全白書』)。

 高齢ドライバーの問題は、喫緊の課題なのです。

 ▽趣味はドライブの私が

 私は趣味を聞かれたら「車の運転」と答えるほどの運転好き。自宅と職場間の通勤...

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