茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
 茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
 ミサイルが直撃し15人が死亡した集合住宅=2023年2月、ウクライナ南部のザポリージャ市
 木の幹に残る砲弾=23年2月、ウクライナ南部ザポリージャ州のオリヒウ(共同)
 ロシアはウクライナ東部・南部4州の併合を宣言、今年6月には東部ドニプロペトロウスク州に入ったと主張
 砲撃で破壊された学校=23年2月、ウクライナ南部ザポリージャ州のオリヒウ(共同)
 ロシア侵攻後に犠牲になったウクライナ兵士らの写真。修道院の外壁に掲示された=23年2月、キーウ(共同)
 ウクライナ侵攻の経過
 トランプ米大統領(ゲッティ=共同)、ウクライナのゼレンスキー大統領(ゲッティ=共同)、ロシアのプーチン大統領(ロイター=共同)
 ロシアとウクライナの主張
 茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)

 ロシアとウクライナの戦争が続いている。2022年2月にロシアからの侵攻で始まったこの戦争は、立場によって呼び方もさまざまだが、戦闘行為で多くの人が傷つき、故郷を追われてしまっていることだけは確かだ。人間はなんと愚かなのだろう。

 ロシア、ウクライナ、それぞれに主張があり、戦争の意味や終結への条件なども異なる。だが現代的な価値観で言えば、どのような観点があるにせよ、力による現状変更自体が許されないのは明白だ。

 今後、和平に向けてどのようなかたちで交渉が続いていくのかは予断を許さないが、少し引いた視点、とりわけ科学的な観点からこの戦争を捉えることで、かえってその本質が浮かび上がってくるように思う。...

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