
茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
ロシアとウクライナの戦争が続いている。2022年2月にロシアからの侵攻で始まったこの戦争は、立場によって呼び方もさまざまだが、戦闘行為で多くの人が傷つき、故郷を追われてしまっていることだけは確かだ。人間はなんと愚かなのだろう。
ロシア、ウクライナ、それぞれに主張があり、戦争の意味や終結への条件なども異なる。だが現代的な価値観で言えば、どのような観点があるにせよ、力による現状変更自体が許されないのは明白だ。
今後、和平に向けてどのようなかたちで交渉が続いていくのかは予断を許さないが、少し引いた視点、とりわけ科学的な観点からこの戦争を捉えることで、かえってその本質が浮かび上がってくるように思う。...
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