
旧熊ノ平駅から軽井沢方面のトンネルに吸い込まれる新線のさびた線路
北陸新幹線開業とともに廃線となったJR信越線の横川(群馬県)―軽井沢(長野県)間には、かつて旧線と新線の時代を超えた二つの路線があった。旧線は1893年(明治26年)に開通、この区間にある碓氷峠の急勾配を越えるため歯車を利用したアプト式を採用した。1963年(昭和38年)にはほぼ並行して新線が建設され、パワーを得るため補助の電気機関車を連結した電車が走るようになり、旧線は廃止された。その新線も1997年(平成9年)の新幹線開業とともに廃止となった。既に役目を終えた二つの路線は多くのトンネルや鉄橋などが壊されることなく、ほとんどが今も廃止当時のまま残っている。2世代で計104年の歴史を刻んだ鉄...
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