
茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
梅雨が明け、いよいよ本格的な夏が到来した。夏休みを楽しみにしていた子どもたちも多いだろう。
夏休みの宿題ゼロの学校が増えているとの報道があった。学習習慣の継続という意味で賛否が分かれるかもしれないが、こうした方針も一つの考え方としてはあり得ると思う。
人間の脳にとって、気分転換は大切である。子どもでも、大人でも、それは変わらない。夏休みは宿題や仕事のことをいったん忘れ、大いに遊ぶのも良い。普段の生活習慣とは異なる日々に身を置くことで、脳がバランスを取り戻せるのだ。
私たちの脳は、学びや仕事といった特定の環境や役割の中で機能を果たしている。子どもたちにとって、学校で学ぶことは脳の回路を発達させ...
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