
茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
参議院選挙が終わった後も、日本の政治は落ち着かない日々が続いている。自民大敗の責任を問う声に対し、党総裁の石破茂首相は続投の意向を崩していない。8月8日には党の重要な意思決定機関の両院議員総会が予定されており、開催に向けた動きが活発化している。
多様な意見が飛び交うのが民主主義で、選挙に向けて議論を戦わせ、結果を総括することには意義がある。ただ、意見の対立が、実際は権力闘争を覆い隠すための表向きの理由に過ぎない例もしばしば見られる。
人間は社会的な動物であり、組織で動く以上、誰かが上に立つ。サル山のボスザル争いを笑えないのは、日本に限らず世界中どこでも同じだ。究極的には、誰が内閣総理大臣や大...
残り1294文字(全文:1594文字)