
国立公文書館=9日、東京都千代田区
裁判記録の永久保存が急速に進んだ。少年法改正にもつながった「神戸連続児童殺傷事件」の記録廃棄発覚を機に、裁判所は「終わった記録は原則捨てるもの」としていた慣習を転換した。今後増え続ける膨大な紙の資料をどこに保管するのか。公開や活用の在り方も焦点となる。「国家レベルで対応すべきだ」と新たな予算措置を求める声も上がっている。
▽急加速
「あんな記録を捨てるわけがなく、最初はジョークかと思った」。1997年に神戸の事件で次男=当時(11)=を亡くした土師守さん(69)は、2022年に事件記録の廃棄を知らされた時の心境を振り返った。
ほかの重大少年事件などでも廃棄が次々に判明し、最高裁は2023年5...
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