ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、記者会見で笑顔を見せる大阪大の坂口志文特任教授=2025年10月6日、大阪府吹田市
 ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、記者会見で笑顔を見せる大阪大の坂口志文特任教授=2025年10月6日、大阪府吹田市
 ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、記者会見場で花束を手に笑顔を見せる大阪大の坂口志文特任教授=2025年10月6日、大阪府吹田市
 ノーベル化学賞の受賞が決まり、記者会見する京都大の北川進特別教授=2025年10月8日、京都市左京区
 実験室の分析装置の前に立つ北川進さん=2011年、京都大
 開発した多孔性材料のサンプルを持つ北川進さん=2018年9月
 制御性T細胞の働きのイメージ

 今年の自然科学系ノーベル賞は、日本人2人が選ばれる快挙となった。

 生理学・医学賞を受けるのは、大阪大の坂口志文特任教授(74)。私たちの体を守る免疫の暴走を防ぐ、体内の警備員ともいわれる「制御性T細胞」を発見した。化学賞には、内部にある多数の穴で気体などを大量に吸着できる「多孔性材料」を開発した京都大の北川進特別教授(74)が決まった。2人の功績を基に、幅広い応用研究が展開されている。

 ▽暴走を止める

 免疫反応の司令塔であるT細胞は、体に侵入する病原体などと、自分の細胞を見分けるセンサーを持ち、異物だけを排除する。

 T細胞は「胸腺」という組織で作られるが、センサーがうまく働かずに自分の体を敵...

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