太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入がさらに求められている=阿賀野市の県新潟東部太陽光発電所
太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入がさらに求められている=阿賀野市の県新潟東部太陽光発電所

 政府は今冬、全国の家庭や企業に対し節電を要請している。全国規模での冬の要請は2015年以来7年ぶりだ。今冬の電力供給は一時、危機的な見通しだった。最低限必要とされる水準は確保されたが、国は万一に備え節電を求める。今年3月には実際に需給が逼迫(ひっぱく)し、6月にも逼迫の注意報が出された。日本ではなぜ電力不足が起こるのか。われわれはどんな対策をとるべきなのか。データや専門家の見方を交えて探った。(2回続きの2回目)

 「いつも電力が足りず停電の危機があるかのように言うのは大きな間違いだ」

 龍谷大の大島堅一教授(55)=環境経済学=は、今冬の供給予備率は「10年に一度の厳冬の最大需要時」という厳しい条件で算定されているとし、最低限必要な水準を確保しているため対策は既に打たれているとする。

 大島氏は、国内大手電力の電力需給状況をまとめたNPO法人「環境エネルギー政策研究所」(東京)のウェブサイトを示し、構造的な変化を指摘する。...

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