北海道の日本海側に、全国からの視察が絶えない都市がある。再生可能エネルギー風力や太陽光、水力、地熱など自然界に常に存在するエネルギー。石油や石炭などの有限な化石エネルギーと異なり枯渇しない。どこにでも存在するとともに発電などで利用する際には温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないといった特徴があり、地球環境に対する負荷が少ない。を集積して地域でエネルギーを製造し、利活用する構想を描く石狩市だ。5月には水素社会推進法が成立。次世代エネルギーとして期待される水素の活用に向けた法整備が進む中、市が独自にまとめた水素戦略構想に基づき、日本海側の水素の製造・供給拠点形成を目指す。市内の工業団地では100%再生エネでの事業活動を希望する企業の誘致を進めている。(論説編集委員・仲屋淳)
JR札幌駅前から約15キロ、車で約30分。片側3車線の広い国道を北に向かって日本海を目指して走ると、石狩湾新港に着く。
港の約1・6キロ沖合には、2024年1月1日に商業運...
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