
規制強化により屋外喫煙所の設置も進んでいる(中国・上海)
20年ほど前、筆者が高校生の頃、父がたばこをやめた。理由は日本国内で「1箱300円を超えたから」。当時、消費税やたばこ税の増税で値上がりが続いていた。繰り返される増税と、受動喫煙対策でたばこが吸える場所が減ったことにより、禁煙を心に決めた人は少なくないだろう。
中国国家衛生健康委員会によると、国内の喫煙者は3億人以上いる。一方、北京協和医学院などの研究チームが調べたところ、たばこをやめたいと思っている人は1億人に上るという。全国に先駆けて喫煙規制を進めてきた上海市の場合、2017年に公共施設やオフィスといった屋内施設での喫煙を全面的に禁止し、22年には公共施設で電子たばこの使用も禁じた。その...
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