ベトナムに寄港するピースボートの船=4月(ピースボート提供)
 ベトナムに寄港するピースボートの船=4月(ピースボート提供)
 ピースボートの船内であいさつする福島富子さん(左)=4月(本人提供)
 ピースボート特別プロジェクトの航路
 戦後80年の「特別プロジェクト」について説明するピースボート共同代表の川崎哲さん(右)=4月、東京都新宿区
 船内で証言するズムナコ・アフメドさん=6月(ピースボート提供)
 「SEMAウクライナ」の代表を務めるイリーナ・ドゥーハンさん(左)とハリーナ・ティシチェンコさん(右)=6月(ピースボート提供)
 船内で交流する戦争の被害者ら=6月(ピースボート提供)

 戦後80年となる今も、世界では紛争が絶えず、核兵器使用の危機も高まっている。2008年から被爆者とともに船で世界を巡り、各国で証言活動を行っている非政府組織(NGO)ピースボートは、今年4~8月の世界一周の船旅で「特別プロジェクト」を実施。被爆者のほか、世界各地の戦争被害者が乗船して、お互いの体験に耳を傾け、紛争予防や継承の在り方などを議論した。(共同通信=今村未生、樋口誓一郎)

 

 ▽構造の共通点を見抜く

 今回の船旅は4月23日に横浜港を出発し、約1700人が乗船して18カ国を訪問し、8月7日に帰港。4歳の時に広島で被爆した伊藤正雄さん(84)=広島市=や、1歳の時に長崎で被爆した倉守照美さ...

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