
広島で被爆し、原爆孤児となった小島純也さん
1945年8月6日、米国が広島に投下した原爆で、5歳だった小島純也さん(85)は孤児になった。結婚し子ども2人に恵まれたが、妻に先立たれ、今は1人暮らしだ。「死ぬことに怖さはない。亡くなった家族に会えるのが楽しみだ」と今の心境を語る。
広島、長崎への原爆投下による被爆者の援護策を国の責任で講じると定めた被爆者援護法では、爆心地から約1・5キロの自宅にいた小島さんのように爆心地近くにいた人の他、2週間以内に市内に入った人、放射性物質を含む「黒い雨」に遭うなどして放射能の影響を受けた人などを「被爆者」として規定している。
被爆者の救護をした人や母親の胎内で被爆した人も「被爆者」だ。原爆投下から8...
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