落雷事故があった、奈良市の帝塚山学園のグラウンド=2025年4月
落雷事故があった、奈良市の帝塚山学園のグラウンド=2025年4月
静電気の変化を観測する「静電気センサー」
2025年4月に発生した落雷事故当時の奈良市周辺の天候について解説する静岡県立大の鴨川仁特任教授
兵庫県立大の木村玲欧教授
奈良女子大付属中等教育学校の大内淳也副校長(左)と二田貴広副校長
帝塚山学園のグラウンドで発生した落雷事故の実況見分=2025年4月、奈良市
帝塚山学園のグラウンドで発生した落雷事故の実況見分=2025年4月、奈良市
部活動中の落雷事故対策

 今年4月、奈良市の帝塚山学園のグラウンドに雷が落ち、部活動中のサッカー部員ら6人の中高生が搬送された。学園は「急激な天候の変化で防ぎきれなかった」と釈明するが、サッカー部の複数の顧問が当日発表されていた雷注意報を把握しておらず、危機管理の甘さが露呈した形だ。

 8月は“雷の季節”のまっただ中。真っ黒な雲が近づいたり、雷鳴が聞こえたりする場合はいつ雷が落ちてもおかしくない。異常気象が続く昨今、事故は各地で後を絶たず、学校現場は安全確保と活動の両立に頭を抱える。屋外活動は継続できるのか。対策の最前線を取材した。(共同通信=佐藤高立、伊藤光雪、古俣友理、大森瑚子)

▽現場のグラウンドでは110人以上が...

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