参議院選挙の際、偽情報に対して抗議の声を上げる人たち
参議院選挙の際、偽情報に対して抗議の声を上げる人たち
ファクトチェックを掲載した毎日新聞(上)と朝日新聞の紙面
大阪大・五十嵐彰准教授
 北星学園大・真嶋良全教授

 7月の参議院選挙では、多くの偽情報や誤情報が出回った。中でも深刻だったのが外国人を巡る偽情報だ。「犯罪行為が増えている」「外国人が不当に優遇されている」。政府が否定したり、報道機関がファクトチェックしたりしても、交流サイト(SNS)や街頭演説で繰り返され、外国人を敵視し、排斥するような論調が飛び交った。なぜ誤った情報は広がり続けたのか。誤りを指摘するファクトチェックは届かないのか。偽情報にどう向き合ったら良いのか、専門家に話を聞いて考えてみた。(共同通信・高津英彰)

 ▽外国人への否定的な感情強くない国

 参院選で突如として争点に浮上した外国人問題。移民・差別問題に詳しい大阪大の五十嵐彰准教授は...

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