高校1年女子生徒殺害事件で、殺人容疑で逮捕された少女の送検のため長崎県警佐世保署を出る車両=2014年7月
高校1年女子生徒殺害事件で、殺人容疑で逮捕された少女の送検のため長崎県警佐世保署を出る車両=2014年7月
同級生殺害容疑で逮捕された少女の父親が当時、弁護士を通じて共同通信に寄せた書面
塀いっぱいに落書きされた林真須美死刑囚の自宅=1999年1月、和歌山市
加害者側の家族から届いた手紙を見るNPO法人「ワールドオープンハート」理事長の阿部恭子さん=2014年11月、仙台市青葉区
関東弁護士会連合会のシンポジウム=2023年
長沼正敏弁護士

 2014年7月、長崎県佐世保市で高校1年生だった少女が同級生の女子生徒を殺害し、逮捕される事件があった。その約2カ月後、加害少女の父親は自ら命を絶った。娘との写真が交流サイト(SNS)で拡散され、自営業の仕事を続けることも困難になった。被害者遺族への謝罪書面で「生きる自信さえ喪失しかけている」と吐露していた。

 失業や自己破産、進学断念に加え、根拠なき中傷―。事件が起きれば、被害者側だけではなく、加害者家族の生活も一変する。過去には自殺する事例も相次いだ。「加害者と一蓮托生」として、家族を追い込む風潮が根強い日本。その背景には何があるのか。動き出した家族支援のあり方とは。現状を取材した。(共同...

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