東京都議選で演説する金正則さん=2025年6月21日、東京都杉並区
 東京都議選で演説する金正則さん=2025年6月21日、東京都杉並区
 選挙掲示板の前で笑顔の金さん=2025年6月20日、東京都杉並区
 弟と自転車にのる幼少期の金さん(左)=1958年
 バイクの前でポーズを取る金さん=1959年
 中学1年生の金さん=1967年
 高校生の金さん=1970年
 広告代理店に務めていたころの金さん=1981年
 在日コリアン排斥を叫ぶデモ=2013年6月、東京・新大久保
 反差別デモに参加する金さん(右)=2017年、東京都新宿区(提供写真、撮影:島崎ろでぃー)
 住民投票条例案が否決された東京都武蔵野市議会の本会議=2021年12月
 街頭で握手を求められる金さん=2025年6月21日、東京都杉並区
 河合悠祐戸田市議に反ヘイトスピーチのプラカードを掲げる人々=6月15日、東京都杉並区
 選挙戦を終え、事務所で取材に応じる金さん=6月25日、東京都杉並区
 東京都議選で期日前投票をした金さん=6月20日、東京都杉並区

 「私の幸せは『私たちの幸せ』の中にある」。在日コリアンの金正則(きん・まさのり)さん(70)は差別と格差を解消し共生する社会を願い、68歳だった2023年に国籍を韓国から日本に変え今年6月の東京都議選に挑んだ。九州で生まれ育ち、都内でマーケティング会社を経営。「出自を隠さず、自然に生活したい」と日本名の通称を使わず民族名でビジネスの世界を生き抜いてきた。「就職のハードルは高かったが、仕事していて民族名で不利益を被ることはなかった。家庭も築き、日本社会に根ざした善良な在日だった」という金さん。なぜこの年で日本国籍を取得し、出馬を決断したのか。「在日」として戦後の日本社会を生き抜いてきた半生、転...

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