「模擬原爆」について独自研究を進めている神戸大学院生の西岡孔貴さん=神戸市
 「模擬原爆」について独自研究を進めている神戸大学院生の西岡孔貴さん=神戸市
 「模擬原爆」の犠牲者を追悼する式典で、慰霊碑の前で読経する僧侶=7月26日、富山市
 「模擬原爆」の犠牲者を追悼する慰霊碑の前で、父善蔵さんの写真を持つ鈴木善作さん=7月18日、富山市

 太平洋戦争中、原爆投下の実験用に開発され、日本各地に49発投下された「模擬原爆」について、神戸大学院生の西岡孔貴(にしおか・こうき)さん(28)が独自研究を進めている。突き止めようとしているのは、80年を経ても着弾地点が定かでない3発。場所が分かれば、歴史に埋もれた被害者が明らかになるかもしれない。そう考え、全容解明に力を注ぐ。

 一方、投下地点の一つだった富山市では7月、追悼式典が開かれた。模擬原爆が自宅の庭に落ち、家族を亡くした男性が慰霊碑を建立した。惨状を語れるようになったのは、戦後40年以上たってからだったという。(共同通信=恒吉慧梧、野尻稀海)

▽模擬原爆、その目的と被害規模

 爆薬を詰...

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