西日本にある有料老人ホーム「医心館」の一つ=8月
 西日本にある有料老人ホーム「医心館」の一つ=8月
 アンビスホールディングスが設置した特別調査委員会の報告書
 医心館の運営実態について取材に証言する現職社員=7月
 青森市にある医心館。スタッフが入居者への訪問介護中に他の入居者のナースコールに対応しているのは問題だとして、今年1月に市から改善指導を受けた=8月、青森市
 訪問看護の予定表の作り方に関するアンビス社内のマニュアル。診療報酬の加算が付く夜間・早朝と深夜の訪問をなるべく入れるよう記されていた
 医心館に勤務していた看護師が上司からの説明内容をシフト表に書き込んだメモ。複数人での訪問について「フリーかお風呂(担当)の人の名前を使う」と架空の記録をするとの説明を受けたという
 調査報告書を受けたアンビス社の見解に不信感を示す元社員の看護師=8月
 「アンビスホールディングス」が入るビルの看板=3月、東京都内

 末期がんや難病患者向けの有料老人ホームを全国に展開し、ここ数年で急成長した会社がある。「アンビスホールディングス」(東京)という会社で、老人ホームの名前は「医心館」。東証プライムに上場し、医療・介護業界では有名だ。入居者への訪問看護と介護で高収益を上げるビジネスモデルだが、共同通信は不正・過剰な診療報酬を請求していた疑いがあることを今年3月に報道。これを受け、アンビス社は外部の弁護士らによる特別調査委員会を設置、8月8日に調査報告書を発表した。

 報告書によると、アンビス社では自治体の指導を受ける際、コンプライアンス(法令順守)部長がつじつま合わせのためスタッフの勤務記録を改ざんするよう指示し...

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