
フィリピンから強制送還され、羽田空港に到着した小島智信被告
日本各地で広域強盗事件を指示し、警察当局が匿名・流動型犯罪グループ(匿流)の取り締まりを強化するきっかけとなった「ルフィ」グループ。当初海外で特殊詐欺を手がけたグループの幹部として初めて裁判員裁判で審理された小島智信被告(47)に東京地裁は7月、懲役20年の判決を言い渡した。
小島被告は公判で「被害者を生んだ贖罪」と述べ、グループの実態を詳細に供述した。なぜ摘発のリスクが高く、刑の重い強盗に手を染めるようになったのか。(共同通信=広川隆秀)
▽送還時の面影なし
7月1日、東京地裁で開かれた初公判に、痩せて意気消沈した小柄な中年の男が出廷した。強盗致傷ほう助や詐欺など計約20の罪に問われた小島被...
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