2012年12月、自民党の新執行部が発足し、記者会見で手を重ねる安倍総裁(左から3人目)、高市政調会長(同5人目)ら=東京・永田町の党本部
 2012年12月、自民党の新執行部が発足し、記者会見で手を重ねる安倍総裁(左から3人目)、高市政調会長(同5人目)ら=東京・永田町の党本部
 衆院予算委で答弁する高市総務相=2016年2月

 自民党総裁に選ばれた高市早苗は、政治信条が共通する元首相安倍晋三に重用されながら、保守派論客として地歩を固めた。今回の総裁選を勝ち抜けたのも、安倍政権の路線継承を前面に掲げ、旧安倍派をはじめとする保守志向の国会議員票の取り込みに成功したことが大きい。安倍が凶弾に倒れてから約3年。高市が首相の座に就いてもあらゆる局面で、その影を引きずることになる。(敬称略)

 ▽契機

 2012年12月25日、党本部。第2次安倍政権の政調会長を任された高市は、多くのカメラを前に「国家経営の主体として、責任あるメッセージを全ての政策で示す」と力を込めた。

 松下政経塾出身の高市は1993年の衆院選に無所属で出馬し、初...

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