イスラエルのネタニヤフ首相(手前)とトランプ米大統領=9月29日、ホワイトハウス(AP=共同)
 イスラエルのネタニヤフ首相(手前)とトランプ米大統領=9月29日、ホワイトハウス(AP=共同)
 イスラエルのネタニヤフ首相宅の外でガザ和平計画の履行と人質返還を求めるデモ隊=5日、エルサレム(ロイター=共同)
 ガザ和平計画の論点と主張

 パレスチナ自治区ガザの戦闘を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの間接交渉の行方は見通せない。双方の主張にこれまでと大きな違いがない中、トランプ米大統領は自身の和平計画を実現させようと、かつてなく前のめり。自慢の交渉力を発揮するのか、混乱を拡大させるのか。戦闘開始から2年。ガザの人道危機は深まり、住民は極限状態に追いやられている。

 ▽最初のステップ

 「もしあのとき戦争をやめていたらどうなっていたか」。イスラエルのネタニヤフ首相は4日のテレビ演説で、ハマスが過去の交渉過程でも人質全員を解放するつもりだったとの見方を「うそだ」と主張した。

 米政権がまとめた20項目の和平計画で、人質解放は第1段階だ...

残り876文字(全文:1176文字)