東京都中央区の日銀本店
 東京都中央区の日銀本店
 日銀の金融政策を巡る構図

 自民党の高市早苗総裁の誕生で、日銀による早期の政策金利引き上げ観測は急速に後退した。高市氏が景気を重視し金融緩和を志向しているためだが、足元では円安が加速し、物価高が一段と進みかねない状況だ。日銀が金融政策で主導権を握るのは難しく、今後利上げが遅れれば、さらなる円安進行が家計を圧迫する恐れがある。政府と日銀は、景気と物価動向の板挟みで難しい対応を迫られそうだ。

 ▽見極め

 「10月の利上げは遠のいたと見るのが妥当だ」。明治安田総合研究所の小玉祐一フェロー・チーフエコノミストはこう指摘する。高市氏の発言や行動を見極める時間が日銀に必要だとし、10月29、30日の金融政策決定会合では判断を見送り、...

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