
大木農園代表の大木洋史さん=9日、埼玉県川越市
夏の長期化が進み、社会が変容し始めている。農業や畜産業は打撃が大きく、熱中症による死者数は増加傾向が続く。伝統行事は開催時期の変更を迫られ、衣料業界では夏物が不足する事態が起こり、関係者からは「常識が通じなくなっている」との声が上がる。
▽異変
里芋は小ぶりなサイズで収穫時期を迎え、ネギは細いまま。埼玉県川越市の露地野菜農家「大木農園」代表大木洋史さん(42)は「夏が早く来て雨が少なかった」と振り返る。どうにか出荷できる形にはなったが、収穫量はいずれも計画の8割にとどまる見込みだ。
農園は大木さん一家と、従業員3人などで営んでいる。スプリンクラー増設といった手は打った。それでも気候の変化を補...
残り725文字(全文:1025文字)