
戦後80年に合わせた「内閣総理大臣所感」を発表し、記者の質問を受ける石破首相=10日午後、首相官邸
石破茂首相が戦後80年所感を発表した。先の大戦で日米開戦を避けられなかった経緯に重点を置き、歴史に正面から向き合うよう主張。ポピュリズムと排外主義を許さない姿勢を強調し、退任直前にレガシー(遺産)を残すことにこだわった。ただ、歴史認識には踏み込まず、安倍晋三元首相の戦後70年談話に強い思い入れを持つ自民党保守派への配慮が色濃くにじんだ。
▽バイブル
「過去の首相談話では、なぜ戦争を避けられなかったかにあまり触れられていない。所感は私なりの考えで、国民と一緒に考えるためのものだ」。首相は10日の記者会見で、所感の意義をこう説明した。
所感の中で首相が強くこだわったのは、大戦が始まるまでの部分だ...
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