今回は「なぜ年を取ると涙もろくなるのか」について話してみたいと思います。

 幼い頃は、思い通りに行かなかったり、近くに母親がいなくなったりすると、すぐ泣きます。子どもが泣くことで、大人も注意が向いて対応できます。子どもは脳の思考系や伝達系の脳番地が未熟なため、困ったことを泣かずに処理できません。泣くことで、伝達系、聴覚系の脳番地が刺激され、発達が促される効果もあります。

 一方、60歳を過ぎる頃には大泣きすることは少なくなり、ドラマを見て感動したり、悲しい知らせで涙腺が緩んだりします。感情系脳番地につながる他の七つの脳番地が成長するに従い、涙の流し方も変わってきます。人生の記憶が積み重なり、記憶...

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