慰霊の思いを込めた長岡の花火が、さざなみの大槌湾を優しく染めた。東日本大震災から13年となった3月11日、新潟県長岡市の花火師、嘉瀬晃さん(65)が岩手県釜石市で慰霊の花火「白菊」を上げた。市民らは大輪を見つめ、犠牲者を追悼した。
津波で被災した旅館「宝来館」の関係者らでつくる実行委員会が主催し、2024年で5回目。釜石市の津波などによる死者、行方不明者は合わせて1000人を超える。嘉瀬さんは白菊に「不幸に遭った魂を鎮め、遺族の悲しみを和らげたい」との思いを込めた。白菊が上がった釜石の1日を追った。(文=長岡支社・佐藤薫、写真=長岡支社・中里一也)
◆思い乗せて、高く…
3月11日午後7時ごろ、大槌湾上に浮かべた...
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