現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん
 現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 読売新聞が5月15日、朝刊1面で大きく「皇統の安定 現実策を」という見出しを掲げ、四つの提言を発表しました。安定的な皇位継承をめぐる議論の現状に対する極めて厳しい、しかし現実的な提言です。

 現在、皇位継承権を持つ皇族は秋篠宮、その子どもの悠仁親王、そして上皇の弟の常陸宮の3人しかおらず、天皇制を継続させることが不安視される状態が続いています。2018年の平成の退位の際、皇室典範特例法の国会付帯決議で、安定的な皇位継承を確保する方策を取りまとめるよう求められました。

 与野党は現在、衆参両院議長の下で、それに関する協議を行っています。そのなかでは、(1)女性皇族の身分を結婚後も保持すること、(2...

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