現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん
 現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 天皇皇后は7月6日から13日にかけて、モンゴルを訪れました。宮内庁のホームページは、「天皇皇后両陛下は、外国政府の招待を受けて国際親善のため外国をご訪問になる」と書いており、天皇皇后の外国訪問は「国際親善のため」という理由を掲げています。

 しかし、果たしてそれだけなのでしょうか。私はそうではないと考えています。今回の訪問には、モンゴルの隣の国に対する日本の思惑が関係しているというのが私の推測です。

 ▽「親善」だけではない

 戦後に皇族が初めて外国を訪問した時から、その目的は単なる「国際親善」ではありませんでした。1953年3月、明仁皇太子(現在の上皇)は英国のエリザベス女王の戴冠式に出席するた...

残り1687文字(全文:1987文字)