能登半島地震の避難者(手前)からの相談に応じる静岡県の災害派遣福祉チームのスタッフ=2024年1月、石川県志賀町(静岡DWAT提供)
 能登半島地震の避難者(手前)からの相談に応じる静岡県の災害派遣福祉チームのスタッフ=2024年1月、石川県志賀町(静岡DWAT提供)
 能登半島地震の「1・5次避難所」で被災者のケアに当たるDWAT隊員ら=2024年6月、金沢市(石川県提供)
 能登半島地震に応援を派遣した静岡、富山、京都、岡山4府県の災害派遣福祉チームによる打ち合わせ=2024年1月、石川県七尾市役所(静岡DWAT提供)

 災害時の避難生活はとりわけ高齢者らの心身に負荷がかかり、福祉支援が欠かせない。能登半島地震で活動した災害派遣福祉チーム(DWAT)の専門家は「助かった命を、福祉で守りたい」と話す。南海トラフ巨大地震でも多数の災害関連死が懸念される。DWATの人員増など体制の底上げが必要となる中、福祉の専門職確保という課題を抱える。

 ▽小さな変化を察知

 能登半島地震では、全国からDWAT隊員延べ1500人以上が被災地に入った。静岡県立大短期大学部の鈴木俊文教授は静岡DWATのアドバイザーとして、石川県志賀町の避難所を中心に輪島市や珠洲市からの被災者の受け入れに当たった。

 鈴木教授によると、トイレが離れているの...

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