入所者の女性2人が死亡する事件があった埼玉県鶴ケ島市の老人ホーム「若葉ナーシングホーム」=15日
 入所者の女性2人が死亡する事件があった埼玉県鶴ケ島市の老人ホーム「若葉ナーシングホーム」=15日
 厚生労働省が通知した主な防犯対策

 埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで入所者が殺害された事件では、容疑者が元職員の立場を利用し容易に施設内へ侵入したとみられ、防犯対策の課題が浮き彫りになった。2016年7月に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が元職員に殺傷された事件を受け、国はこうした福祉施設全般の防犯強化を各自治体に通知した。ただ具体的対策は施設側に委ねられ、財政難や高い離職率がネックとなって対応は遅れており、識者は「国の支援が不可欠だ」と指摘する。

 埼玉県警によると、亡くなった女性2人のうち1人を殺害した疑いで逮捕された木村斗哉容疑者(22)は、昨年7月までこの施設に介護職で勤務。その当時と事件時で、職...

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