
フィッシングサイト件数の推移
利用者を本物と似た偽のウェブサイトに誘導し、IDなどを入力させて盗む「フィッシング詐欺」への対策に企業が奔走している。偽サイトがないかどうか常に監視し、本人確認を厳格化している。一方で、対策を強化するほど個人認証などの操作に手間がかかり、顧客離れにつながる面もある。企業側はどうバランスを取るのか、難しいかじ取りを迫られている。
▽見分け付かない
「模倣サイトはいくらでも作ることができる」。9月、三菱UFJ銀行でサイバーセキュリティーを担当する瀬古敏智氏は東京都内にある警視庁警察学校での講義で、同行のサイトに似せた偽サイトの例を見せた。
正規サイトとはURLが多少違う程度で、見分けが付かないほ...
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