本県の高校球史に刻まれる快挙だ。北信越大会で県勢校が初めて優勝と準優勝に輝いた。来春の選抜高校野球大会(センバツ)に、本県から2校出場することが有力視されている。
両校の躍進をたたえたい。県民や野球に親しむ子どもたちにも、大きな力と希望を与えたはずだ。
富山市で行われた第153回北信越高校野球大会決勝は、帝京長岡が日本文理を5-4で破り、秋季大会では初優勝した。
帝京長岡はセンバツへの初出場を確実にした。一般選考では北信越地区から2校選ばれるため、準優勝の日本文理も有力だ。
本県からセンバツ出場が決まれば、2014年以来12年ぶりとなる。過去、21世紀枠を含めて2校が選出されたことはあったが、一般選考により2校が選ばれれば、史上初となる。
1月末に開かれる選考委員会の決定を楽しみに待ちたい。
県勢校同士による決勝は、本県高校野球のレベルアップが図られた証しだろう。
帝京長岡は準決勝で石川県の星稜を、日本文理は福井県の敦賀気比をそれぞれ撃破した。いずれも甲子園出場常連の強豪校だ。
両校の選手たちは、大きな自信になったはずだ。
今大会の帝京長岡は、攻撃面では持ち前の機動力を存分に駆使し、攻めの姿勢を貫いた。1年生エースが全4試合に登板し、計27回を自責点3に抑えた。
決勝は、県大会でコールド負けした日本文理に対し、見事にリベンジを果たした。各地区の優勝校が出場し、来月神宮球場で開かれる明治神宮大会でも大いに力を発揮してほしい。
日本文理は、4試合で計37安打22得点と、「打の文理」復活を感じさせるほど打撃が好調だった。
特にクリーンアップが強力で、打率は4~6割と打線をけん引した。ただ、決勝は帝京長岡の投手陣に3安打に抑えられた。
両校の飛躍は、他の県内校を刺激し、本県チーム全体の底上げをもたらすことだろう。少子化などで野球人口の減少がいわれる中、裾野拡大にもつなげたい。
センバツでの県勢の勝利は11年の日本文理が最後だ。
出場したなら甲子園でも快進撃を見せ、県民に元気を与え、本県を盛り上げてほしい。
そのためには、春に向けて気を緩めることなく、さらなるチーム力の向上に努めてもらいたい。