東京電力柏崎刈羽原発
東京電力柏崎刈羽原発

 検証総括委員会は、新潟県が独自に進めている「三つの検証」を総括する委員会です。三つの検証は、東京電力柏崎刈羽原発の安全性を検証するために行っているものです。

 しかし、三つの検証避難委員会、健康・生活委員会(健康分科会、生活分科会)と新潟県技術委員会が担う。技術委員会は福島第1原発事故前から設置されている。福島事故後に三つの検証の一つとして、福島第1原発事故原因の検証も求められている。を総括する委員会は十分に開かれないまま、2023年3月末に任期切れを迎えました。委員会の枠組みはあるものの、委員がいない「休眠状態」となっています。

 そもそもなぜ、三つの検証があるのでしょうか。

 柏崎刈羽原発は、福島第1原発事故を起こした東京電力が運営しています。

 東電は柏崎刈羽原発の再稼働を目指しています。新潟県は、再稼働の是非を判断する材料を得る目的で検証を始めました。

 テーマは(1)福島第1原発事故の原因(2)住民の健康や生活への影響(3)原発事故時の安全な避難方法-の三つです。検証総括委員会は、検証を担う各委員会の委員長・副委員長に加えて、池内了(さとる)氏(名古屋大学名誉教授、宇宙物理学)が委員を務めていました。池内氏はこの委員会の委員長でした。

 三つの検証の結果は検証総括委員会が「取りまとめる」ことになっています。池内委員長は、各委員会の報告書を踏まえて、検証総括委として改めて原発の安全性を議論する必要があると主張していました。これに対して、委員会を設置した新潟県は、検証総括委での具体的な議論は求めないとの立場です。

 検証総括委員会が原発の安全性を議論するかどうかを含め、池内委員長と新潟県の間で意見に違いがあることから検証総括委は2年以上、開かれませんでした。

 花角英世・新潟県知事は各委員会の報告内容を総括することで、三つの検証に「区切りがつく」としています。